- (30)先物のリスク・ヘッジにオプションをどう使うか?
- −Q− 先物のヘッジが低コストで完全にできるなら、オプションはありがたいものですね。どのように使えばよいものでしょうか?
- −A− これから大豆相場が上がるだろうと思って、例えば30,000円の大豆先物を買っている場合、予想に反して先物相場が29,500円以下に下がってきて、もうこれ以上の損失はかなわんから何とかしたいと思うとき、権利行使価格30,000円のプットを買うのです。プットを買っておかないと、大豆の訴着物相場が28,800円を割って下がると、追証さえ必要になります。この権利行使価格のプットを買っておけば、相場下がるにつれて、プットの価値が上がって、プレミアムは上がりますから、これ以上の損失は出ないことになります。大豆の先物相場が上がり出したら、先物で利益が出るのを待てばいい。プットのプレミアムは掛け捨てにできます。
- これは東穀取の「組合せ取引」のひとつのパターンです。例えば貴方が大豆の先物を買って2、3日したら、円が高くなる(先物相場が下がる)かもしれないと思って、例えば1,000円(1枚30,000)のプレミアムを支払ってプット・オプションを買っておく。東穀取では、このパターンができますと、先物の損はプットの益でカバーされますから、先物を買うときに預託した例えば70,000円の証拠金は、この「組合わせ」が存続している限り、大豆なら10,000円で(「アウト」のときは30,000円)でいい(先物の損失リスクはこれ以上にならない)ことになる。ですから、プレミアム30,000円を支払っても、先物で預託された当初証拠金の一部は余ることになります。もう1枚オプションを買ってもいいのです。先物を売っている場合のリスク・ヘッジには、コールを買って、同じように「組合わせ」を作ればいいのです。
- −Q− これはセッティングしたら、外さないのが前提ですか?
- −A− いえ、途中で自由にはずしても結構です。もうそろそろ相場が見えてきたなと思ったら、どっちかを外せばいいのです。せっかくコールを買ったから、先物の方を手仕舞いして、コールだけを残しておいてもいい。先物だけを残す場合は、先物に必要な証拠金は復活します。
- −Q− しかし、先物市場で損切りしたときに、その損金を払いますから、足りない場合がありましょう?
- −A− ええ、足りないことはあり得ます。その場合は、益の出ているコールを処分すれば、その利益で埋めることもできるでしょう。少なくとも先物で損が出るとき、同時に益が出ているコールを持っているということが大事です。
- −Q− このプレミアムのコストを埋め切らない場合にも、これは仕方のないことだと考えるわけですね。
- −A− そうです。コールは、これ以上の損失を防ぐための保険として買ったのですから、プレミアムは保険料です。この「組合わせ」は証拠金の範囲内でできる資金の有効な使い方として、すでに委託者の間では知られるようになりつつある方法です。これによって、安心して先物取引もできるのです。
- −Q− 先物とオプションとの組合わせを同時スタートもできますか。それなら先物の預託金は初めから10,000円または15,000円で済むわけですね。
- −A− その通りです。先物とオプションの組合わせの同時スタートもできますし、初めにオプションを買っておいて、あとから先物を組合わせてもできます。その場合も、先物の証拠金は10,000円か15,000円です。どっちを先にしてもいいのです。
- 東穀取には、こういうオプションがあるのですから、これを使わない理由はありません。資金の効率運用は、委託者のためでもあり、結局は取引員のためでもあるのです。先物を売ったり買ったりするときは、必ずオプションを買うことです。そうすれば、証拠金は安くなるし、不測のリスクに見舞われることもなくなる一方、取引の枚数も増えるのです。
- これは組合わせによる一種の証拠金のネット化だと私は思います。手持ち資金の効率運用だと思います。こういうことが出来るのも、オプションが導入されたからです。取引員も、委託者も、手持ちの駒を有効に使わない手はないと思います。
- −Q− 安全性を確保しながら、作戦の幅を広げることができますね。
- −A− その通りです。アメリカなどではフルに活用しています。委託者も取引員も、賢く利益を上げればいいのです。もし、ある取引員がやりだしたら、他の取引員は、お客さんを取られてしまいます。
- 将棋で言えば、持ち駒が一挙に増えたのです。メニューとしては非常に沢山あります。基本的には「プット」の「売り」と「買い」と「コール」の「売り」と「買い」の4本と、先物の「売り」と「買い」の2本の合計6本の組合わせですが、それぞれ数本ずつ組合わせると、ほとんど無数の組合わせが可能となります。
- また、権利行使価格の選択で、どのくらいのリスクをカバーするかが決まってきます。単純なパターンしか求めない人には、いままでの先物だけの一本調子でいいでしょうが、現代人のニーズは多様化していますから、これからの先物の発展を考えるのでしたら、自分の相場観や資金力や戦略で、時と場合に応じて柔軟に考えようとする人々、簡単に損をするのは嫌な人々には、オプションは奨められる手法です。
- −Q− 複雑なことは好きではないのですが、損をするのは大嫌いですから、勉強します。
- −A− さっきは損を固定することにオプションを使いましたが、益を確定するにも、同じ考え方で組合わせを活用することもできます。損失を固定することも、利益を確定することも、どの権利行使価格を選択するかという、その人の戦略や相場観によって決まってきます。
続く
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