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      オプション取引 Q&A(中)    
―おくればせの事はじめ―
柳 沢 逸 司
(25)オプションの売手のメリットは何か?

−Q− 一般の人は、オプションの買手になり、玄人は売手に回るのだ、という話を聞いたことがありますが、売手のメリットは何かということを、もう一度端的に説明してください。
−A− 上で申しましたように、オプションの売手のメリットは、第1に、プレミアムをいただくことでしょう。オプションの売手は、東穀取の場合には先物の半額ではあっても、証拠金が必要ですが、プレミアムを受け取ることができます。いまの東穀取のオプション取引では、プレミアムは流動証拠金になります。
 第2のメリットは、オプションの売手はいわば時間を売るのですが、その時間のコストはオプションの買手が負担するわけです。受け取ったプレミアムは、時間の経過とともに、目減りして行くという性格を持っています。オプションの売手は、ほとんど相場が変動しない場合には、ただ時間が経つのを待てばよいという立場です。しかし、そうは言っても、オプションを売ることはリスクを負うことですから、リスクそのものは先物取引のリスクよりも大きくないというものの、先物にヘッジしたり、やはり初めての人でない方がいいかもしれません。
 第3は、オプションの売手を業者だとしますと、先物だけ扱うよりも、オプションを加えることによって、商品メニューが格段に豊富になることです。オプションひとつで、コールとプットの2商品が増えます。そして、これは大変なメリットですが、先物とオプション、あるいはオプション同士の組合わせが商品メニューを一層豊富にし、豊かな戦略組合わせができることです。コールとプットの両方を売るということなどは、相場変動の少ない場合の戦略です。

−Q− オプション取引は1枚からでもやれるでしょうか?「うちは1口110枚からで、ピンの注文は受けていない…」などと言われる恐れはないのでしょうか。
−A− それはないでしょう。取引員は、受けた注文を市場につなぐのですから。プレミアムの安いものを1枚だけでも買うことができます。オプションを理解するためには、オプションとは何かについて本を沢山読むよりも、先ずプレミアムの低いオプションを1枚買ってみることだと言われています。実際、私の知人は1枚買ってみて、よく分かった、プレミアム売買は先物と変わらんが、プレミアムの小さいオプションの買いは気楽だと言っていました。先物取引は入るのに、安いも高いもありません。1枚につき証拠金は幾らと、一律に決まっています。例えば大豆の先物であれば、買いでも売りでも、大豆なら例えば1枚70,000円、粗糖なら例えば1枚80,000円と画一的に決まっています。しかし、オプションであれば、いまの先物相場では損(アウト)のプレミアムなら、1,000円(大豆なら1枚30,000円、粗糖なら1枚50,000円)くらいのものもあるでしょう。1枚30,000円ないし50,000円から取引に参加できるのは、商品オプションの特徴です。しかも、オプションの買いには追証がありません。
 アメリカでも、先物だけではどんなに上場品目を増やしても委託者層が広がらないと限界が感じられていたのが、オプションの登場で、委託者層が一挙に拡大して、農家にまで広がったのです。アメリカの全世帯の1割はオプション取引の経験があると聞いたことがありますから、その数は膨大なものです。そして、ニューヨーク市場に見られますように、ファンド資金の受け皿としても、オプションが活用されているのです。それだけ多くの現代人のニーズに合っているのだと思います。
 アメリカでは、政府まで、オプション取引の安全性と効率性の普及の片棒を担いだ感じですから、大変なものです。商品先物取引委員会(CFTC)のバーバラ・ホーラム委員の話では「オプションには、やはり世代ギャップがある。年配の人よりも、若い世代の方が率先してやっている」という話でした。新しい客層を開拓したという意味では、オプションは先物の救世主みたいなものです。それもこれも、1973年の「ブラック・ショールズ方程式」の発見が契機になっていると思います。

続く

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