←上巻目次へ オプション取引 Q&A ―おくればせの事はじめ― 柳 沢 逸 司 ― は じ め に ― オプション取引は、現代人の知恵である。価格変動のリスクにプレミアムをつけて市場で流通させることに成功したのである。リスクを商品化することによって、価格変動という現代社会では避けることのできないリスクを自由に移転することができるようになったのである。本文に何回も出て来るように、ブラック・ショールズ方程式の生みの親であるショールズ博士が97年度のノーベル賞に輝いたことは、オプション取引の歴史にとって画期的なことであったと思う。アメリカで二十数年前に再開されたオプション取引は、一時、デリバティブとして危険視されたが、結局、現代人のニーズに最もマッチした取引として、ファンドの受け皿としても重宝がられて、欧米では隆盛しているし、アメリカでは政府も荷担しているくらいである。ショールズ博士が、価格変動のリスク・ヘッジには現在望み得る最上の手段だと言う通り、日本でも、徐々に認められ、取引も活発になるだろうと私は信じている。 この書は、商品研究所の毎月2回発行する『商品取引研究』の1997年6月20日から1998年2月5日まで14回連載されたものを、今回再編集したものである。『商品取引研究』という冊子は、25年以上も継続して発行している冊子である。同所の主幹が97年、陽気の好くなったころ、ぶらりと私の部屋に見えて、オプションについて、いろいろと質問をするので答えろと言われたのであった。 それから2カ月半くらいの間に、延べ10回くらいのインタビューを受けたと思う。主幹がオプションについての質問をして、私がそれに答えるという形式で、オプション取引の初歩的なことを一通り説明するというものである。主幹は先物については、その道のベテランで、私などよりはるかに詳しいし、初めのうちは、主幹の質問が意地悪く聞こえるくらいの突っ込みであった。その質疑応答を全部『商品取引研究』に載せてくださった。 なお、今回“e先物倶楽部”掲載にあたり、ホームページ用に再編集したものです。間違いについては、読者の叱正を仰ぎたい。 2000年11月 東京穀物商品取引所 常務理事 柳 沢 逸 司