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(2019/12/10 2970 掲載)

SBIグループの戦略・下
プラットフオーマーの未来像
SBI証券の手数料、3年以内に完全無料化

 米国の証券業界では、大手ネット証券を中心に株取引などの手数料をゼロにする動きが加速しているという。たとえば証券会社「Robinhood」は7月末時点の企業価格が約76億ドル(8,200億円)で口座数は400万講座をトップしているが、売買手数料無料としており、収益源は主に月額性のプレミアムプランである。「GAFA」にみられるように、金融業界のみならず取引手数料に無料にしつつ、取引のアプリを提供する金融プラットフォーマーが躍進している。ネオ証券を打ち出したSBI証券ホールディングスも、目指すところは総合的なプラットフォームの構築なのかもしれない。

 ネット証券最大手のSBI証券が預りで10兆円を超えたのは3年前の2016年11月だ
った。翌年9月には400万口座を突破したが、どちらもネット証券では史上初となる。

 2020年3月期の上半期(4〜9月)では、連結業績において2市場合計の個人株式委託売買代金が前年同期比20.4%減と大幅に下げた中、SBI証券は同12.0%減にとどまった。

 上半期の営業利益は180億6,900万円と、ネット2位の楽天証券(52億6,800万円)3倍以上上回っている。

 だがSBI証券ホールディングスの決算説明会で北尾吉孝社長が強調したのは、証券事業グループの連結利益占める割合が30%に低下し、証券会社の範疇を抜け出した企業グルプへの転換だった。

 つまり国内株式市況の影響でグループの利益が大幅に変動することことのない、安定した収益体制に構築に力を入れてきた。その上で証券事業は次のステップに入り、北尾氏のいう「ネオ証券化」に至る諸政策に注力する方針を示している。3ヵ年計画で実現させるタイムラインに沿って、まずは証券関連事業の手数料完全無料化を目指す。第1弾はSBI証券の夜間PTSについて手数料を無料化し、次に若年層をターゲットとし4月に開業したSBIネオモパイル証券の手数料を無料とする。最後・にSBIS証券においても現物取引・信用取引の手数料無料化で完成する。

 これらを含むネオ証券化が実現した時には、国内金融業界全体の収益モデルが様変わりしているだろう。


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 編集発行人:村尾 和俊
(2019/12/10 2970 掲載)