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農水省=市場機能強化に関する
研究会組織のあり方等を討議
農林水産省は農産物商品市場の流動性を高め、本来の機能を果たすため「農産物商品市場の機能強化に関する研究会」を設置、その第一回会合が30日間催された。
商品取引所の組織のあり方、システムについて、上場商品などについて議論された。3月までに数回会議を重ね、意見を取りまとめるとしている。次回は2月中旬に開催。
(本紙の見解〉
昨年来より、市場の競争力強化については産業構造審議会や金融審議会の場で有識者を交えて議論が展開されてきた。首相の諮問機関である経済財政諮問会議における「骨太方針2007」(経済財政改革の基本方針)に沿うもので、金融審の「金融・資本市場競争力強化プラン」には、商品先物市場の金融分野との連携・融合にむけた対応が盛り込まれている。
先の東京工業品取引所と東京証券取引所グループとのMOU(包括的な相互協力協定)締結は、その成果の表れといえる。
それに比べて東京穀物商品取引所をはじめとする日本の農産物先物市場は出来高の面でも大きな遅れをとっている。世界の農産物市場が何十年ぶりという活況を続けているのに、いま一つ人気が盛り上がらない。この度の「…機能強化に関する研究会」が市場低迷の突破口になることを期待したい。
○板寄せザラバ取引の復活も…
いま東穀取の喫緊の課題はザラバ・システムにある。いずれ全商品ザラバ取引化に移行するとの声もあるが、現行システムを全面改善しない限り投資家の不信を拭い去ることはできない。流動性に乏しい市場のザラバ化は価格の乱高下を招くと警戒する人も少なくない。ひところのゴム市場に見られたことで分ることと思う。
研究会の議題にシステム問題が取り上げられている。商品先物市場なぜ単一約定の板寄せ方式を採用してきたのか、改めて考えてみる必要がある。国際仕様の取引化にむけてザラバ取引は時代の流れであるならば、いまの節取引の合間をザラバ取引で補う「板寄せザラバ取引」の復活も一考の余地があるのではないか。
○小麦上場の実現へ
もうひとつは新規上場商品の開発だ。穀物市場関係者にとっては「とうもろこし」に匹敵する魅力ある息品の開発が急がれている。工業品市場は産業の米といわれる「石油市場」で様変わりの発展をみせた。成功した一因として考えられるのは一般受けする「ガソリン」「灯油」の上場である)もしそれらに替わって「ナフサ」という名前で上場されていたらどうだろうか。あれほどの大衆人気を呼び込むことはできなかったと思う。
東穀取が大型商品として期待した「大豆かす」が、花開かずに終わってしまったのも大衆人気を呼び起こすことができなかったからだ。市場関係者の努力不足を指摘する声もある。製粉業者などの当業開拓には取引所関係者の協力、支援が不可欠だからだ。
研究会開催の直前25日に、東穀取は「輸入小麦」の上場に向けての勉強会を設置することを明らかにした。小麦は国内の年間消費量の90%に相当する500万トンを輸入に依存している。政府が愉人商社から全量買い上げて、製粉業者に販売する。これまでは年間価格固定制で販売されていたが、世界的な小麦価格の高騰で07年度から価格変動性による売り渡し制度に変えた。07年10月期には国際相場の高騰により4月期の価格に10%アップで販売され、さらに08年3月期には30%アップの予想が大勢を占めている。パンやうどんなどの末端価格の上昇は避けられない見通しにあり、生活関連物資の高騰が家計を直撃する日も近くに迫っている。
小麦は欧米人の主食でもあり、遺伝子組換え小麦は作られていない。コーン、大豆との大きな違いでもある。日本人の間でもライス(米)以上に主食として用いられている。米の上場は先物関係者の願望が強いが、大衆人気を呼ぶのは小麦が勝る。
○研究会メンバー
座長・上村達男稲田大学法学学術院長)、升田純(弁護士・中央大学法科大学院教授)、岩村信(関西商品取引所理事長)、太田省三(東京金融取引所専務)、翁百合(日本総合研究所理事)、倉沢章夫{時事通信社解説委員)、佐藤広宣(カーギルジャパン穀物グループ統括部長)、柴田明夫(丸紅経済研究所所長)、多々良義成(豊商事相談役)、茅野信行(ユニパックグレイン社長)、戸舘勇幸(オリオン交易会長)、林康史(立正大学経済学部教授〉、平山賢一(東京海上アセットマネジメント投信運用戦略室チーフストラテジスト)、藤田秀昭(中部大阪商品取引所常務)、二家勝明(日本ユニコム会長)、水野慎次郎(カネツ商事常務)、渡辺好明(東京穀物商品取引所理事長)の17名。 |