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自己成就予言の心理学
沼野 龍男
 相手に期待を持たせ、努力をほめてやれば、結果は良い方向(そうあって欲しいと望む方向)に必ずでる。
 人は本来、自分が期待されていると感じると、その期待に応えようと努力するものだ。この努力している姿、態度、行動をほめられると更に「やってやろう」という気持ちになる。いわゆるその気にさせる動機づけとなる。
 「自己成就予言」とは、自分が期待されている様に必ずなるという暗示がかかり、「期待される姿、結果」に向かう行動を自ら進んでとる様になることを云う。
 ○何をほめるか、本人の能力、性格、資質をほめるのではなく努力したこと(態度や行動)をほめる。すなわち、本人がその気になれば変えることが出来る行動面についてほめることが大切である。
 逆に、戒めの場合でも「努力不足」を指摘されると受容できるが、「無能」呼ばわりされるとどうしょうもない。
 ○自分とは異質な個性を持っている部下を使い別ける。
 元々、企業集団はクラブや同好会と異なり、相性や馬が合う者同志が集まっている訳ではない。それぞれが持つ個性を目的達成のためにうまく機能させていく事が人を動かす管理者にとって大切なことである。
 ○パブリック・コミットメント〈公言)と、それを実行させる動機づけ。「新人王を狙います」と18才の楽天田中投手。この目標公言がパブリック・コミットメント。これが言えたことが正に田中君がプロの証し。その為に自分が何をしなければいけないのかを自覚し、自ら行動する様になる。途中で、うまく結果が出ていなくても「言い訳」や「ない物ねだり」はし難い。何故なら、自分で決めたことだから。
 あとは、「どの様に実行するのか」、又「どの様にしているのか」を聞き出してフォローしていけばよい。 北辰の故北内オーナーは「何故成績があがらないのか」とは決して云わなかった。Why(何故)で追求すると、応々にして云い訳やない物ねだり、最後には「申し訳ありませんでした」、「次は頑張ります」となって、本当の原因が改善されないからだ。「君はどの様にやっているのか」と尋ね、やっている具体策を聞き、それに一つ一つアドバイスした。部下は納得して、今迄と違った方法や月分の態度、行動を見直していったとのことである
(週刊 先物ジャーナル 918号 掲載)