|
産構審商取分科会
業界の事業運営や委託者保護などで議論
産業構造審議会商品取引所分科会(会長・尾崎安央早稲田大学大学院法務研究科教授)の今年3回日の会合が31日開催された。今回のテーマは@取引所、取引員等の組織・事業運営について、A市場の信頼性の向上について、B委託者保護について。
取引所の事業運営については、東京穀物商品取引所は株式会社化など組織変更の有無に係らず、現在の会員組織下でも「内部統制システム」等を導入することは有用であると考え、08年4月より稼動させるべく準備をしている。
東京工業品取引所は08年中にも株式会社化に移行し、機動的な資金調達を可能にして激化する取引所間競争を勝ち抜くとしている。事業運営に関しては、当業者の意向を踏まえて制限値段の幅を拡大、建玉数量の制限枚数も大幅に拡大した。米国のコンサルティング業者と契約して米国の市場調査・マーケティング活動を充実。
取引員の現状と課題については、06年度の売買高に見る市場参加者の現状などを紹介。それによると同年の売買高に占める取引員の取扱いは82.1%、うち自己取引が26.4%、委託取引55.7%となっている。個人委託者のウエートは全体の44.9%(うち対面30.8%、電子14.1%)で、法人等の委託取引は10.8%に過ぎない。当業者もしくはプロ投資家といえる市場会員は全体の17.9%であった。
●流動性確保に欠かせない取引員の存在
国内の商品先物市場の現実はそれだけ取引員の存在が大きいわけで、前年の出来高減少(対前年比45%減)がそのまま数字に表れている。コンプライアンス(法令順守)や行為規制など委託者管理面の強化は徹底されてきた。管理部門の充実など各社にも浸透し、そのなかで創意工夫を重ねて社会の求めに応えられるように営業努力を行っている。
業界人の中には「いや、まだ苦情・紛議が多い」という人もいるが、低次元のトラブルは極めて少なくなっている。主務省は07年度の行政処分件数8件としているが、その処分内容はとてもここ1、2年の出来事とは思えない。検査では04年法改正(施行は05年5月1日から)以降の中身を吟味し、古い傷を掘り起こすことは止める。それで変わらないところは退場する以外にないのだから。放置すれば「不招請勧誘の禁止」の時期が早まるだけである。
産構審の公の場では取引所のプロ化市場や委託者保護を含めた信頼性向上にむけた議論を展開するのと平行して、市場の流動性確保に欠かせない取引員の将来ビジョン(IB制度、一任勘定のラップ口座など)の実現にむけて専門家・知識人の英知をもっと働かせて欲しい。
(た) |