◇金ミニ取引 各社が出揃うのはまだ先
大証では金(価格連動型)ETF上場へ
◇“めらの目”インフレ懸念は幻想か
◆フジフューチャーズ 商品先物取引のコンシェルジュ
◆“先物寸言”ライフプラント投資
◆東工取、海外売買高 100万枚超える
◆アイコム問題に最高裁が判決
◆巨大取引所は世界市場を制するか
金ミニ取引 各社が出揃うのはまだ先
大証では金(価格連動型)ETF上場へ
車京工業品取引所(東工取)は17日、金ミニ取引を開始した。初日の出来高は2万2258枚であったが、その後は1日5000枚前後と伸び悩んでいる。参加取引員の顔ぶれも初日と殆んど変わらない。
リテール部門の登竜門として設計された商品であるが、その担い手となる取引員に詳細が伝えられたのは開始数日前のこと。懸念されていた各社の準備不足が露呈した格好だ。取引に参加した受託会員〈取引員)は18社、他に商社など会員を含めて24社が取組に名を連ねている。現在の受託会員は54社、まだ3分の1の取引員が市場参加しているに過ぎない。
金ミニで初めて導入されたロスカット制度はいずれ全商品に採用される(すでに日本商品先物振興協会=先物協会が提案している)方向にあり、同制度に早く馴染むことが求められている。金ミニ取引は取引員にとっても受託管理面のよい勉強の場になる。準備万端、各社が出揃ってきてからのポリューウムに注目したい。
初日の取組表で気になるのが住友商事の売り(1日で5238枚の売り残〉、裁定取引ならば従来の標準取引市場を利用するべきで、ミニ市場での商社の大量売りが大きな重石になるようなことは避けるべきである。ただ当日はそれに匹敵する大量の買いポジション(豊商事の8265枚の買い超し〉があり、市場間の裁定取引も考えられるので答えは今後の動向次第といえる。
同じ日に、大阪証券取引所(大証)は金価格連動型上場投資信託(金連動ETF)の上場を発表した。設定会社は野村アセットマネジメントで、上場予定日は8月10日。
金連動ETFは1g(グラム)当りの円表示の金現物価格を対象指標にし、金価格に連動する社債等の有価証券に投資して金現物価格に連動する投資成果を目指すというもので、金の現物そのものを購入するものではない。当然、金地金の現物を引き出すことはできない。
対象指標となる金価格はロコ・ロンドンの金価格で、ロンドン・ゴールド・マーケット・フィクシング・リミテッドが午後に値決めとして公表する1トロイオンス当りの米ドル建の金価格。円価格に転換する為替レートは同日にWMロイターが発表するロンドン時間午後4時のスホット・レートの中値を用いる。
売買単位は10口以上10口単位。投資単位は現在の金価格に当てはめると10口で2万6000円からになる。当初の運用資産は50億円程度が見込まれている。上限は2兆円。呼が値は1口(1g金価格に相当)2000〜3000円の時は5円刻み。株式市場と同様の値刻みを採用する。
株価指数以外に連動するETFの上場は、この金連動ETFが国内初となる。法律上、金などの商品を裏づけたにした投資信託は上場できない。金価格に連動する債券(リンク債)を組み込むことで、間接的に金価格に連動する。いわゆる金価格リンク債で、満期時はその時の金価格で償還される。
東工取は「大証の金連動ETFの上場は、投資家の金価格に関心が高まることが予測され先行きが楽しみ」(広報部)とみている。金ミニとの裁定取引に期待する向きもあるが、証券との販売力の差は大きい。飲み込まれないことを切に願いたい。 |