◇経産省=東工取市場のプロ化推進 競争力強化のアクションプランを公表
◇“めらの目”TOCOMの24時間取引への疑問
◆金ミニ取引、17日取引開始
◆豊商事 社長に石黒氏
◆合併による社名変更(梶j「さくらファイナンシャルサービス」
◆JCCH、剰余金478百万円
◆人事異動 ・岡藤商事 ・エース交易
経産省=東工取市場のプロ化推進
競争力強化のアクションプランを公表
経済産業省は27日、6月中4回に分けて検討・議論してきた「工業品先物市場の競争力強化に関する研究会」座長、尾崎安央早稲田大学大学院法務研究科教授)の報告書をまとめ公表した。
ごの度の研究会は正式な「諮問を受けた答申ではない」(小山智商務課長)としながらも、喫緊の課題としての方策が具体的に提示されたことで取引所の将来像を思い描くことができる。それに併せて取引員各社の国際化対応などが急ピッチで迫っている。
研究会開催の趣旨
(1) 国際的な資源・エネルギーの獲得競争の激化、資金の世界規模での移動の一層の進展などを背景とし、国境・分野を超えた市場間政争が日々激しさを増している。他方、我が国の工業品先物市場は個人投資家を前提とした市場構造であり、先物取引に対する否定的な評価が根強い状況にある。
こうした中で、市場の利便性・信頼性の向上により、我が国の工業品先物市場の競争力を抜本的に強化することが喫緊の課題である。
(2) また、「経済財政改革の基本方針2007」においては「取引所において株式、債券、金融先物、商品先物など総合的に幅広い品揃えを可能とするための具体策等を検討し、結論を得る(平成19年内を目途)」こととされている。
(3) 本研究会は、具体的には、現状を抜本的に見直し、機関投資家等の大口市場参加者や現物を取り扱う当業者にとってより魅力的で、投資家がより一層安心して参加できる市場を構築するよう環境整備を行う。これにより原油、金等の基幹物資の指標価格を世界に発信するアジアの中心市場としての地位を確立する。
具体的な取組
(1) 市場の利便性の向上(工業品先物市場のプロ市場化)
@ 新た電子システムの導入
平成20年度中の稼動を目途に、世界最高水準の性能および国際標準の機能を備えた取引システムを導入するよう準備を進める。具体的には、パッケージソフトの採用を基本方針とし、可能な限り現行の取引慣行・ルールを国際標準に合わせることで必要最小限のカスタマイズにとどめるよう、海外パッケージソフトの機能をベースに、会員との検討・調整を行う。
A 取引時間の延長
国際的な取引所間競争の中で、海外の取引所は取引時間の24時間化が進んでいる。このため新たな電子システムの導入にあわせ、取引時間の24時間化を目指す。これに先立ち、本年中に現行システムにおいて最大限可能な取引時間の延長として、午後の取引時間の終了を現行の15時30分から17時30分程度に延長する。
B 国際的に遜色のない市場運営ルールの構築
(a) 制限値段幅の緩和
昨今の商品価格の変動幅の上昇に伴い、価格が制限値段に達し、海外市場との価格連動性が保たれなくなったり、転売・買戻しの機会が制限され市場離脱が困難になる事態もあり、国際市場としての機能が十分に果たされていない。
このため、一般投資家に対するロスカット制度の導入など、委託者保護に万全を期した上で、制限値段幅を拡大する。まず本年夏を目途に金について制限値段幅を拡大する。原油についても、全商品トータルでのロスカット制度の導入時期とあわせ、できるだけ早い時期での実施を目指す。
(b) 建玉制限の緩和
東工取では現在、会員の建玉制限数量は会員の純資産額に応じた制限数量を設定し、委託者の建玉制限数量は全委託者一律の制限数量を設定している。当業者や機関投資家からは建玉制限数量が小さすぎて十分な取引を行うことができないと指摘されている。
このため、工業品先物市場のプロ市場化の観点を踏まえ、現物の市場規模、市場管理との関係などを勘案しつつ当業者や機関投資家・ファンドのニーズに応えることができるよう建玉制限数量を最大限緩和する。
会員の建玉制限数量は純資産額に応じて異なる制限数量を設定するのではなく、全会員一律の制限数量とする。但し、純資産額の低い会員の過当投機を防止する観点から、会員の純資産額に応じた取引割増証拠金制度を導入する。これらの措置は、まず金において本年夏を目途に実施、原油については今秋までのできるだけ早い時期での実施を目指す。
C 情報開示のあり方
本年中を目途に、大口注文情報および寄前の板画面を非公開にするとともに、ザラバ中の板画面を会員と会員以外に格差なく開示する。更に、会員別の取引高表および取組高表は非開示とする。ただし今後、半年から1年程度の準備期間を経て、代替情報(会員別取引高表については全限月の合計のみを上位10社から20社程度に限って開示、会員別取組高表についてはカテゴリー別情報〉を開示する。
(2)市場の信頼性の向上
(一般投資家の保護を前提に)
@ 厳正な法執行による違法行為排除・自主規制機関による取組の徹底
行政は、商品先物取引に係る違法行為を撲滅するため今後も、立入検査、行政処分等の監督を一層適切に行い、平成16・18年の改正により規制が厳格化された商品取引所法を厳正かつ迅速に執行していく。
また法改正の際の付帯決議の趣旨を十分に踏まえて政策を実施するとともに、自主規制機関による自主的取組を監督し、必要に応じその強化について指導する。
自主規制機関の日本商品先物取引協会は、平成18年12月に策定した「商品取引トラブル解消アクション・プラン」を着実に実施し、トラブルの着実な解消、会員各社におけるコンプライアンス体制の一層の整備を進める。
A インターネット取引の推進のための環境整備
インターネット取引は、その実績から見ても委託者との間でのトラブル発生が少なく、一般投資家が市場に参加するための方策と考えられる。このため責任準備金制度の見直しをはじめ、必要な措置を検討し実施する。
B 商品ファンド導入促進
商品ファンドは投資家が損失を投資額の範囲内に限定することができる間接的な市場参加形態であり、一般投資家が市場に参加するための今後の重要な柱の一つと考えられる。このため商品投資顧問業者の資本金要件の緩和など、商品ファンドの健全な発展のために必要な措置を検討し、実施する。
C 一般投資家のリスクを大幅に低減するための措置
(a) ロスカット取引
投資家のリスクをあらかじめ定めた範囲で限定することを目的とした取引であり、投資家を保護する上で有効な手段である。まずはリスクを低減した小規模取引商品に導入し、会員のシステム対応等の準備期間を考慮して、平成20年1月を目途に全商品トータルのロスカット制度を導入する。
(b) 取引単位・証拠金の額を現行より大幅に小さくした小規模取引商品を導入し、一般投資家をこちらに誘導することは、委託者保護の観点から重要な試みである。
(3)事業体制等のあり方
@取引所のあり方
東京工業品取引所はガバナンスの強化のほか、新たな電子システムの導入等に対応した資金調達を可能にするために平成20年中を目途に株式会社化を行うように準備をする。
また機関投資家等の大口市場参加者、当業者等、国内外のプロ投資家のニーズの把握、市場参加の働きかけ等を戦略的に行う営業・マーケティング体制の整備、人材の確保などが必要である。
A取引員の今後の事業運営のあり方
商品取引員を巡る経営環填は厳しさを増している。今後、既存の規制枠組みや分野を超えた競争が生じることも想定しつつ、競争に勝ち残るため、従来型のビジネスモデルの転換を早め、強靭な事業体へ展開していくことが求められる。 |