5月25日の総会で、第9代理事長に就任した東京穀物商品取引所の渡辺好明氏が28日会見し、コメ上場や市場流動性の確保などについて抱負を語った。

渡辺好明 東穀取新理事長 |
まず最近の国際穀物情勢に触れ、農産物は食料、エサ{飼料)、エネルギーなどの引き合いがあり、東アジアの食生活の向上など農産物に対する期待感、その底流には大きな流れがある。
フューチャーズ(先物〉の世界でも、公正な価格形成と透明性のある取引を通じて、利便性を向上させながら多くの流動性を引き込み、価格形成とヘッジングの機能を働かせられるように務めていく。
コメ上場は会員の総意であるが、難しい問題なので「再申請」の時期は一任されている。
まだ田植えも終わっていない。生産調整の実施状況も見極めがついていない。政治、経済、社会情勢を見ながら、よいタイミングを見極めて申請する。
コメの生産調整にしても昨年との相違がでている。環境が変わってきていることが分かる。国が一括管理していた時代から、国と生産者団体の共同管理、そして今年からは生産者団体の自主性に任せ、国の関与は需給に関する情報提供だけである。
コメ政策と上場は整合性があると判断している。作柄が進んで見ないと分らないが、生産調整次第では先物を要望する声が大きくなる可能性もある。
直面している課題として、市場流動性の確保(幅広い参加者の導入)がある。先物市場は大事な機能(公正な価格形成、ヘッジング)を持っているが、今の市場は流動性が小さくなつている。参加者には二通りのタイプがある。投機とヘッジだが、スペキュレーターがリスクを負ってくれるからへッジができる。いろんな立場の人が市場に参入して流動性を高める工夫を東京工業品取引所と歩調をあわせて進めていきたい。
先物に対する誤解(先物は投機、大きな損失を出す。価格の乱高下を招く)を正していくためにも教育と啓蒙が大事。アメリカでは子供のうちから教育しているし、日本でもようやく銀行が動き出して小中学生に金融の教育をするようになつた。
経営者としての農業を育成する大切な時でもあり、先物に対する間違った思い込みを正し、農家に先物の役割を認識してもらう。遠回りでも、それがないと入ってもすぐに出ていってしまい参加する人が定着しない。時間をかけてでも取り組んでいきたい。
総合取引所問題には違和感がある。資金調達、資産運用の面だけの論点で話されている。それでは先物市場の大切な構能が忘れられてしまう。
家族構成は妻と長男。趣味はハイキング(いまは時間が無くジョギングだけ「高枚時代は水泳部に所属、ゴルフも好き。読書では中世の文学、いまは松尾芭蕉の書簡集に親しんでいる。志ん朝、可楽の落語を聞きながら寝る(30分ぐらいで寝入る)。好きな言葉は「Change to remain Same」(黙っていたのでは何も変わらない)と「よろずのことに季節、すべてのわざに時」。尊敬する人はマイク・マンスフィールド。
農林水産政策はライフワークでもあり、6月から北海道大学大学院の水産科学研究院で客員教授として講座を持つことになつた。