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新たな穀物戦争
 16日のNHK番組「クローズアップ現代」で穀物が話題に取り上げられていた。「穀物に起きる新たな異変」をテーマに、コーン(トウモロコシ)の需要拡大による価格上昇(2ドルから4ドル台に)、その結果、エサ(飼料)の価格が上がり畜産農家が大打撃を受けている、という話。
 需要拡大の背景にはエタノール生産がある。コーンの出し値は高値でバイオ業者が買ってしまうため、集荷業者も苦境に陥っているという。乳製品などは価格に転稼できず生産者の廃業危機に。
 エタノール需要をバックに今年(07/08年)の作付け面積予想はコーンの増反、大豆の減反となつた。米農務省の発表に敬意を表してか、CBOT(シカゴ商品取引所)のコーン相場は3ドル台の半ばで安定した動きをみせている。
 これから6、7月頃までは、米国生産地の天候に一喜一憂する場面が続くのであろうが、異常気象や干ばつなどに見舞われたら、新たな「穀物戦争」が勃発する懸念もありそうだ。いわゆる人と車の穀物争奪戦に発展するというわけだ。
 この一年未満の間に世界の穀物需要は大きく膨らんでいる。多少の供給増では需要増(食糧として)に追いつかない。そこにエタノール生産が加わるのだ。国内需要の90%を米国に依存している日本にとって、米国の穀物争奪戦は他人事とは云っていられない。
 穀物の需給表に新たにエタノール(工業需要に含まれるのか?)が加えられると、生産増は需要増でイーブンになるのだが、市況に与えるインパクトは別。数字が大きくなると、弱気派は供給増をストレートに評価する。逆に、強気派は需要の中身を吟味してくるであろう。
 穀物好きの商品外務員にとっては、ようやく出番到来を迎えたのに、改めて需給データの分析をし直さなければならない。基本ベース(単収や在庫率など)は変らないとしても、石油市場との関係(原油価格とは直結する)や競合農産物との関係(コーンと大豆の比価やカナダの菜種油、マレーシアのバーム油など)、さらにはそれらに係わる地政学的な問題など、市場規模が膨らむと市場に与える話題も尽きない。
 かつてはシカゴ相場が高い、安いだけで通用した時代もあったようだが、今後はもっと幅広い材料提供が求められてくる。外務員の日々精進が続く。
(た)