日本商品先物振興協会は7日に広報委員会(委員長=犬嶋隆ひまわりCX会長)を開き、平成19年度の広報事業計画を承認した。事業計画は「商品先物市場の利用に係る知識普及のための啓蒙活動を中心に推進」するが、予算は18年度の約2億8000万円から6割を削った約1億1000万円に抑える方針だ。また商品先物取引の普及・啓蒙では『商品先物知識普及委員会(仮称)』を新たに設置する案が浮上。業界外の第三者に委員長を依頼して、業界広報の基本スタンスの提案を受けることが狙いだ。
商品取引員が潜在投資家に商品先物取引を紹介する機会が減少している。その背景にあるのは改正商品取引所法施行を契機とした勧誘規制の強化や取引員の広告出稿制限など。結果としての市場流動性の低下や出来高の低迷は目を覆いたくなるばかりだ。
商品先物受託の振興団体である先物協会にも直接的な影響が出ている。今年度の赤字が不可避と予想される先物協会のこの日の広報委員会では、広報予算の対前年比約1億7000万円の削減を承認。かつてない規模の減額を余儀なくされた格好だ。
現在実施中の広報事業で来年度から休止するのは、衛星テレビ放送BSジャパン『マーケット・ウィナーズ』の番組提供や新聞広告の一部、金融シンポジウムと日経シンポジウムの協賛など。うちマーケット・ウィナーズ提供では約7300万円、新聞広告では5000〜6000万円程度の削減が可能と見積もられている。
また昨年開設した投資家に商品先物取引の面白さを伝えるための専用サイト『投資家応援ナビ』では、来年度は初期費用の約2000万円が不要になるため、大きな費用削減になる。
しかし広報の減額・後退だけでは市場のさらなる低迷を招きかねない。このため「取引所と関係団体へ協力を要請し、効率的かつ訴求力の高い啓蒙活動に取り組む」ことが提案された。この考えはすでに加藤雅一会長(岡藤商事会長)から取引所理事長にも伝えられており、先物協会としては、基本的な方向では理解が得られているとの認識がある。
具体的には、商品先物の利用促進や情報発信などを柱とする個人投資家向けセミナーの定期的な開催(未経験者向け3回、経験者向け4回)や、法令遵守への業界の取組姿勢を表明した広告の反復出稿などを、先物協会は取引所等団体に提案していく考えだ。
普及委員会の設置は、日本証券業協会の『個人投資家育成対策会議』をイメージした組織とみられる。同会議は「日本経済の活力を取り戻すためには証券市場の活性化が不可欠」との前提に立ち、個人投資家を市場に呼び込むことを目的に、証券会社、証券取引所、銀行、有識者などが協力しあうもの。
先物協会は取引員、商品取引所、関係団体、学識経験者に加え、主務省へも参加を求めたい意向。「位置づけは工夫しなければならない」(事務局)としながらも、「早急に実現を働きかけたい」(犬嶋委員長)と前向きな姿勢だ。
| ◆ 先物協会広報アンケート結果 |
●来年度の先物居絵会の広報事業について、どのようなスタンスで取組むべきとお考えでしょうか
- @今年度並みの広報事業は必要と考える。そのためある程度の会費の引き上げはやむお得ない。
- A会費は据え置き、広報事業を見直すべき。(広報事業の縮小
- B会費の減額を検討し、広報事業全体を見直すべき。(広報事業の大規模削減
- Cその他
●来年度以降も当先物協会の広報事業として、BSデジタル放送の番組提供を継続した方がよいと思われますか。(複数回答)
- @先行投資した意義を考え、他の広報事業に優先して継続を考えるべき。
- A番組の内容がよい(商品先物取引の啓蒙に有効)ので継続させるべき。
- B年額7,300万円は予算的に厳しいのだから、継続するなら提供料金の引き下げを条件として考えるべき。(引き下げができないなら中止もやむなし)。
- C株式情報中心の内容(商品先物取引の普及啓蒙に効果が見込めない)なので、提供を中止してよい。
- D現在の番組内容をより商品先物取引に比重を置き継続すべき。
- E他の広報事業に重点をおき、番組胎教は中止してよい。
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