◇ミニ金先物、個人投資家獲得に南學理事長が意欲
商取法5条に抵触しないと見解示す
◇“めらの目”07年商品、投機妙味一段と加わる
◆先物協会=ミニ金導入にあわせMM制度勉強会の開催を要望
◆東工取=3四半期通算収支は9億円プラス 18年通期は2億円前後の予想
◆先物協会、来期予算基本方針承認 出来高不振で効率追求へ
◆法改正の影響あり? 日商協問い合わせ5割減
◆日商協=法令遵守体制の強化で報告書提出求める
ミニ金先物、個人投資家獲得に南學理事長が意欲
商取法5条に抵触しないと見解示す
東京工業品取引所の南學政明理事長は17日、現在、売買単位1キロで取引している金先物取引と平行して、それよりも売買単位を引き下げたミニ金取引を「新年度のできるだけ早い時期」に導入したいとの考えを明らかにした。”ミニ金“の狙いは「低レバレッジを指向する資金力の小さな個人委託者」を新たな市場参加者として呼び込むこと。懸念される商品取引所法への抵触についてもクリアできるとの考えだ。また南學理事長は「現在は関係者からの調査結果を踏まえ商品設計案を検討中」と具体的な上場スケジュールの明言を避けたが、一部では4月26日の新甫発会が有力とする説が浮上している。
東工取にとって、昨年1年は出来高低迷を余儀なくされた年だった。12月の暦年出来高は6368万枚と前年比3%増加したものの、年度ベースでは4-12月は4597万枚と前年同期比でマイナス2%に。
もちろんこの数値だけを取り上げれば大きな落ち込みには感じられない。しかし出来高のピークは7月。8月以降で予算枚数(1日あたり23万枚)を達成したのは9月だけという状況だ。つまり昨年の収支は、前半の貯金で後半の負債を埋め合わせた格好になっている。
この「低迷からの出口が見えない状況」に終止符を打つべく南學理事長は (1)市場利便性向上のための新規上場および商品設計の改善、 (2)広報活動の積極的推進、 (3)国際的なマーケティング活動の展開、 (4)次期売買システムに関する研究──という4つの重点項目を明示。「市場の活力の回復に取り組む」と力を込めた。
その中でもはじめに、具体的に着手するのがミニ金の上場だ。
しかし市場の活性化がすべてではない。証券界で先行して話題になっているプロとアマのすみ分けもある。
現行の1キロ金は、唯一の公設金先物市場であるため、資金力の多寡を問わずプロとアマが混在している。しかし近年は、ファンドに代表される海外の機関投資家が直接的に参入するケースが相次ぎ、資金力のある参加者の割合が以前にまして高まっている現実がある。
プロの増加は市場の厚みを増す。さらに世界中のプレーヤーを呼び込む上でも歓迎すべきであり、不可欠な要素といえよう。だが東工取には「個人投資家に対するきめ細かな配慮」も求められる。
値幅制限ひとつをとってもそうだ。プロ仕様ならば世界標準は無制限。だが個人投資家に過度のリスクを追わせることの是非もある。現実問題として、プロとアマのニーズを同時に満たしながら市場を活性化するのは困難になってきている。
そこで低レバレッジのミニ金市場の登場になる。一方で1キロ市場の「グローバル・スタンダードに適った制度の見直し」は、セットの話だ。
ただ1キロ金とミニ金の同時上場は「商品取引所は、一種の上場商品または上場商品指数について二以上の商品市場を開設してはならない」(第5条2項)とする商取法に抵触する可能性がある。
これについて南學理事長は、同法の趣旨は (1)いびつな価格形成(一物二価)の防止と (2)市場流動性分散の防止──にあると提示。その上で (1)は納会日の最終帳入値段を一致させれば2市場間で裁定取引機会が働き、円滑な価格形成がなされるために「なんら問題ない」と結論。実際に海外市場ではミニと標準サイズが併存している例は数多くあるなどとした。
(2)では、1キロ市場はあくまでもプロを想定しており、かれらはミニ金が上場したからといって「直ちにミニ取引に移行するとは考え難い」と説明。ミニ市場が想定するのはあくまでも「新たな市場参加者」であることを強調した。
なお上場時期について南學理事長は「新年度の早い時期としかいえない」としている。しかし、逆に「新年度の早い時期」に上場するためには、すでにかなりの下準備が進んでいなければならない。
商品設計の有力案は本紙 871号(平成18年12月18日号)で既報の通りだが、上場期日は1キロ金に合わせると仮定した場合、「毎偶数月末の4営業日前」であることから、新年度の早い時期ならば4月26日が最有力視される。それを逃せば6月24日だが、それでは「初夏」になってしまう。もちろん理事会、総会の決議を経て、主務大臣の認可が前提だ。 |