「―仕手というよりも投機師として相場への取り組みは続く。が、買い占めや売り崩しといった相場を作る仕手ではなく、あくまで相場の流れに乗ってキャピタルゲインを追求する相場師である。上場商品が次第に大型化し、国際化して個人の力で相場を市場で左右できる時代ではなくなったことを見て取って、本田は仕手ではなく、投機師、相場師として市場に参加するようになる」
「その売買枚数は昔のように大玉に膨らむことはなくなった。『頭の体操』程度と控え目に語るが、時と場合によっては大きく踏み出す用意だけはある。老境に入った今も本田の携帯電話は引っきりなしに鳴り続ける。本田番の外務員からもたらされる情報を取捨選択しながら相場という魔性と今日も格闘する。かつて世評と闘い、行政と闘い、碁敵と闘い、今はまた敵癌細胞とも闘わなければならない。本田のこれまで歩んできた足跡は闘いの連続であった。これからも闘い続けるだろう。相場に終わりがないように、相場師本田忠にも大引けはないのである」
第一商品の社史「35年史 雄叫び」の第1部は「素顔の本田忠」の一部だ。
「弊社にとって大変お世話になりました本田氏への感謝の気持ちを込めて、本史第一部「素顔の本田忠」として市場経済研究所の鍋島高明氏の執筆でトップに登場していただきました」(村崎稔会長の発刊の辞から)。
相場師―経営者―相場師。相場師として出発、経営の前線を退き、「君臨すれども統治せず」(村崎氏のコメント)、相場にいどんでいく。
半ば伝説化した本田忠氏の素顔をインタビューの発言を織りまぜながら活写する。社史はえてして内輪ぼめに偏するが、「雄叫び」は「戦後商品先物取引史」でもあり、戦後を代表する相場師(本田忠)の歩みを通じた「相場変動の歴史」としても読める。
16日、重い社史を社から持ち帰り、17日に自宅で通読しての感想である。
エコノミストの記事が描く、混み合う商品の世界をバランスのあるものとするのは時に人の行く裏の道を歩む個性ある相場師の存在ではないだろうか。そこが混み合えばまた別の道を行く。第二、第三の本田忠氏の出現こそ、商品市場活性化につながっていく正道だと考える。
| ◆各国取引所の市場価格 (単位:億j) |
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CMEによるCBOTの買収。詳細は1ページの記事に譲るが、時価総額で世界最大の取引所の誕生は合併によって生じる年間推定1億2500万ドルの相乗効果益とともに拡大への弾みとなろう。
新取引所は従来の米国債、通貨、農産物先物・オプション取引を軸にエネルギー、メタルなどの分野で陣取り合戦が予想される。成長するアジアへの進出ピッチも速まろう。
「時に最適の結婚相手は隣の娘」(英紙ファイナンシャル・タイムス、18日付ザ・レックス・コラムの表現)。
最適の組み合わせとなったシカゴ勢はエネルギー、メタルのNYMEXに提携強化の目を向けるのかどうか。さらに日本市場をどうとらえていくのか。
シカゴ勢からみると、日本には競合しない商品群がある。
ゴム、小豆、生糸、野菜、鉄スクラップ、鶏卵、ブロイラー、冷凍えび…。世界的な陣取り合戦では独自性のある上場商品も注目点となる。
シカゴ勢と連係、米国の投機資金を取り込んで、こうした商品群の市場活性化(流動性増大)につなげていく手もありそうだ。