三貴商事は「ジム・ロジャースの投資法をそのままファンドに組成した」円建て信託型商品ファンド『商品新時代』の販売を2日から始めた。「国内商品ファンドの歴史を変えたい」(中島成佳オンライン事業部執行役員副本部長)との意気込みを込めて組成した同ファンドは、低廉な購入価格設定、ゼロ手数料の採用、毎週の中途解約など、投資家が望むいくつもの魅力を備えている。ジム・ロジャースのブランド力とあわせ、どれほど投資家を呼び込めるかは、商品市場の将来性を占う上でも関心を呼びそうだ。

45兆円といわれる投資信託の販売残高。一方、商品ファンドは平成10〜12年の約3000億円をピークに減少の一途をたどってきた。8月現在の数値は 376億円(運用実数36本)。彼我の差は歴然だ。
三貴商事には、この現況を打破したいとの気持ちがある。そのためには「とびきりの商品ファンドを」(中島副本部長)と考えた結果が『商品新時代』として結実した。
運用のベンチマークとするのは、いちはやく「商品の時代」の到来を予見したジム・ロジャースが開発した『ロジャース国際商品指数(RICI)』だ。そこには投資家に「コモディティーの魅力を身近に感じてもらいたい」との根本的な理念がある。
RICIをファンドの一部に組み込んだ金融商品はすでに国内大手証券も販売している。しかしRICIとほぼ同一の銘柄構成で、複数の商品先物市場を用いて運用するファンドの登場はこれが初めて。それだけに”ロジャース・ブランド“が光る。
商品指数にはさまざまなタイプがある。近年では国内でも三貴商事を含め複数の取引員と投資顧問会社、東京工業品取引所などが独自の指数を開発している。
だが世界的にも有名なゴールドマン・サックス商品指数やダウジョーンズAIG商品指数との比較では、RICIは、最も多い36種類の商品銘柄を採用(2006年8月現在)しているほか、日常生活に必要性が高いエネルギー・農産物・産業用金属などがバランスよく配分されているなどの特徴がある。
このためRICIをベンチマークとしたファンドを購入すれば、投資家は既得の株式や債券とあわせて分散の効いたポートフォリオの構築と同時にインフレヘッジが可能になる。
実際の売買指示は、同じ光陽グループの光陽投資顧問がフィーマットSNCに下す。三貴商事は『新商品時代』の販売開始前に、プロトタイプ・ファンドのトラック・レコード(運用成績記録)をジム・ロジャースに提示。ロジャース側は同レコードがRICIのコンセプト通りのパフォーマンスをあげているかを子細に検討。最終的に合格を受けて販売のめどをつけた経緯がある。
同時に「投資家の利便性を高めるための工夫」も凝らした。
まずは申込単位。10万円以上1万円単位の設定で、商品ファンドは初めてという投資家への敷居を低くした。販売手数料は、オンライン申込の場合は無料とする決断をした(対面等での申込の場合は購入金額の1%)。その他の費用も信託報酬 0.5%、ゼネラルパートナーの管理報酬 1.7%、投資顧問の管理報酬 1.0%の計 3.2%に抑えた。
また「入退室」でも利便性を高めた。特に気をつかったのは解約部分で、購入機会は毎月としたのに対し、中途解約は毎週受け付ける仕組みだ。
初回募集は11月15日まで。ここまでのところ、「販売初日に購入が集中したが、その後もコンスタントに売り上げている」。運用は12月1日から始まる。