平成18年10月2日(月)(毎週月曜日発行)第860号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行人・米良 周 編集人・小島 栄一
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  主 な 紙 面 ―
◇中部商取 アドバンスト板寄せ、来秋稼働へ ネット取引、国際化にはずみを
◆“先物寸言”相場に手を出せ、足出すな
◆“携帯開けたらすぐ相場”ユニコムがFXでもユビキタス・サービス
◆持ち株会社体制に移行 ユニコムグループが1日から
◆近藤課長、内閣参事官に 商務課長には赤津参事官
◆2006年3月期 専業型取引員財務状況(6)─完
 ・期末委託者数 ・新規委託者数 ・延べ委託者数 ・財務比率一覧表
◆“先物オタクのススメ パートW”グローバル・マクロの新時代
◆シンガポール本部の総合金融グループ フィリップキャピタルがクレボを買収
◆中部商取協会、韓国先物協会と業務協力
◆保護基金代位弁済契約 50社と総額182億円
◆人事異動 ・東京穀物商品取引所(1日付)


中部商取 アドバンスト板寄せ、来秋稼働へ
ネット取引、国際化にはずみを
  
 中部商品取引所は25日の理事会で新取引(アドバンスト板寄せ)システムの開発をNTTデータに発注することを了承した。同社が提案した新システムの特徴は、ネット取引への対応能力の高さ。新システムでは、取引所会員が自社システムを取引所側システムに直接接続できるようになるため、ISV接続が可能になるほかネット取引での立会中注文や取消が容易になる。開発費用はハード、ソフト込みで約8億9000万円。来年秋ごろの稼働を目指す。
  
 中部商取はシステム開発の委託先をNTTデータに決めた理由を(1)同取の要求を満たす唯一のオープンなシステムの提案、(2)特定のハードウエア、ネットワークに依存せず拡張性が高い、?大手システムインテグレーターとして社会的に重要なシステム開発実績を多数有している、(3)東京工業品取引所システム、日本商品清算機構のシステム開発実績と商品取引業界の知識・経験の蓄積、(4)会員のシステム環境を理解し、外部接続仕様等で会員の負担を抑えるよう考慮している──ためなどとしている。
 清算系と相場報道系を含む全面リニューアルとなる今回のシステム更新では、現行システムの機能的制約を解消する一方で安全性・堅牢性・利便性などを向上。さらに取引員にとっては新しいビジネスモデルへの対応が提案されている。
 うち特に”ビジネス“関連では、国際化とネット取引部分について取引員の対応を容易にすることで、結果として同取の流動性向上が期待される。現行の板寄せ取引を進化させた「アドバンスト板寄せ」が、その中核をなす。
 現行の板寄せ取引システムは、取引員が所有するコンピューター・サーバー(メーカを問わず)と、中部商取側のシステムを直接つなげることで「アドバンス(進化)」する。例えばネット取引では、現状では各場節の立会開始数分前までで締め切っている委託注文を(完全前受注)、立会の最中にも受け付けられるようになる。
 前受注に限定せざるを得ないのは、取引所と会員をつなぐ”パイプ“が専用端末であるため。これだとネット取引で受注した注文も、担当社員が売り買いの差引枚数を計算の上、改めて専用端末に注文を入力し直さなければならない。現在でもひまわりCXや日本ユニコム、エース交易など複数の取引員が「立会中注文」を受注しているが、これらは各社独自のシステム開発と「それなりの投資」のたまものだ。
 だが自社のネット取引システムが中部商取のシステムと直接つながっていれば、その必要はなくなる。時間と人材の節約になると同時に、ネット取引がよりスムースに機能する。
 これは海外の先物ブローカーとの提携やファンド、機関投資家からの受注の可能性も示唆している。とりわけ「即効性」が期待されるのは38社の海外準会員だ。ISV経由で積極的に市場参加する芽が出てきた。
 ただその場合、会員は取引所と自社のサーバーをつなぐための「共通の言語」が必要になる。例えば「FIX(フィックス)プロトコル」と呼ばれるものがそれ。取引員は自社のサーバーに「通訳」にあたる「FIXエンジン」を導入しなければならず、そのための負担が高額になるとみられる。中部商取は通信方式にFIXプロトコルを使わず、「会員の負担を低く抑えることが可能」としている。
 会員は、現行通りの専用端末を介して取引を継続する選択肢もある。
 同システムは大阪商品取引所との合併で誕生する「大阪取引センター」でも使えるよう準備を急いでいる最中。場立ちの廃止による取引員のコスト低減と、取引量の拡大が狙いだ。

      (2006年10月2日―第860号)