平成18年9月25日(月)(毎週月曜日発行)第859号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行人・米良 周 編集人・小島 栄一
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  主 な 紙 面 ―
◇「商品先物市場の発展なければ国益損ねる」
  市場低迷脱却に向け南學理事長が明言
◆出来高回復で先物協会が対応策 取次制度の整備などを優先項目に
◆海外玉100万枚突破 東工取、過去最高を記録
◆銀・アルミ取引単位変更 10月新甫から実施
◆先物、商品ファンド税制改正 金融所得一元化で改正要望
◆関西・福岡合併問題 29日に調印式開催
◆2006年3月期 専業型取引員財務状況(5)
 ・従業員一人当り純資産額   ・従業員一人当り経常利益
 ・従業員一人当り当期利益   ・従業員一人当り預り証拠金
 ・従業員一人当り純資産額   ・従業員一人当り受取手数料
 ・従業員一人当り自己売買損益 ・従業員一人当り販管費
◇“めらの目”金、年末700ドル説(GFMS予測)を点検する


「商品先物市場の発展なければ国益損ねる」
 市場低迷脱却に向け南學理事長が明言
  
 東京工業品取引所の南學政明理事長は20日、低迷が続く国内商品先物市場の現況を分析し「大変危惧している」との危機感を表明した。東工取は市場の低迷で独自の原因究明に務めているが、同様の検討を進めている日本商品先物振興協会とも積極的に意見交換し、「業界の要望について弊所として取り組むべきことがあれば前向きに対応していきたい」と述べた。一方で主務省に対しては、委託者保護に関する施策と同時に商品先物市場の育成と振興にも「従来以上に意を用いてもらいたいと要望している」ことを明らかにし、「あらゆる意味で商品先物市場が発展しなければ国益を損ずることになる」と強く語った。
 全国6取引所の8月の出来高は約720万枚で前年同期比23%の減少。東工取も約504万枚(同3%減)となり、1日平均出来高は21.9万枚に落ち込んで、今年初めて23万枚の予算枚数を下回る事態に見舞われた。
 より深刻なのは人気のバロメーターともいえる取組高の減少だ。平成16年1月には全市場合計で280万枚を数えていた取組高は月を追うごとに減少の一途をたどり、この8月には2年半前の半分以下の128万枚に転落。9月20日にはそれをさらに下回る116万2814万枚にまで減らしてしまった。
 もちろん東工取単独でも同様の傾向にある。2年前の8月には82万枚だった取組高は今年8月末には65万枚に。そして9月19日には57.9万枚に減少し、平成元年9月以来17年ぶりの60万枚割れを余儀なくされている。
 東工取の分析によると、8月中旬以降の出来高減は金と白金の減少が主因(石油は増加)で、海外市場を含め価格調整局面に直面したこととなどが原因。また取組高の減少は「全体として商品価格の高ボラティリティーを背景に建玉期間を短くする傾向」があることと、先の価格調整局面で建玉の手仕舞いが進んだためではないかとしている。
 ただ南學理事長は「改正法施行後の規制強化や検査体制の強化に伴い、商品取引員の営業活動が過度に萎縮し新規顧客の獲得が極めて困難になったとの指摘がある」ことにも言及。この点について「さらに分析を進める必要があるのではないかと考えている」とした。
  
【南學理事長のコメント】「主務省への(育成・振興の)要望は機会があるごとにしている。主務省は規制だけであってはならない。産業の振興を視野に入れた対応をしてもらいたいということ。あらゆる意味で商品先物市場が発展しなければ国益を損ずることになる。国際競争が極めて厳しい現時点において、公正・透明な価格形成機能や国際指標価格の発信機能などを隣の国などに奪われていくというのはわれわれとしてはとても耐え難い。やはり日本で形成された価格を、世界に向けて発信していくというこの事態をこれからも続けていかなければならないし、そうした機能をより充実させていきたい。そうしたことから、全体としての方向を主務省に対してお願いしている。より具体的に何が必要かということは日本商品先物振興協会の分析結果も踏まえて逐次要望して参りたい」
  

      (2006年9月25日―第859号)