GFMSの年末700ドル予測は強気に過ぎるのだろうか。
今回の商品下落の背景について、FT(15日付)は商品欄で次のように解説している。
「原油(ブレント)は8月高値から9月第3週の安値まで21%下がったが、こうした下落幅は石油市場でのピークからの下降時に共通するパターンだ。05年8月のハリケーン・カトリーナ時の高値から11月半ばの安値までの下落は21%余、04年11月には1カ月で19%余下がっている。世界最大の消費国である米国の需要シーズンのピークが過ぎたのと軌を一にしている」
「商品相場の行方は需給ファンダメンタルスではなく、投資家が商品セクターから資金を引き揚げるかどうかにかかる。あるヘッジファンドのマネジャーは『火曜(12日)に原油が2ドル幅で下がったほか、全商品が下落する風景は20年以上のトレード体験の中ではじめてのことだ』と指摘している。12日はゴールドマン・サックス商品指数に沿って資金を運用しているファンドが期近から次の限月に乗り換える(ロール・オーバー)に当たった。『ロール・オーバーを渋る資金が多かったのではないか。ファンド資金の流出が続くとしたらさらなる商品下落が予想される』とヘッジファンドのマネジャーは述べている」

英誌エコノミスト(9月16日号)には「石油下落が商品投資のわなを浮き彫り」と題する記事がある(グラフ参照)。
「原油下落は(1)ガソリン需要のピークアウト、灯油の冬期需要前である米国の季節要因(2)大西洋のハリケーン・シーズンもこれまで予想されたほど激しいものではない(3)米国とイランの対立もいまのところ激化していない、などによる」
こうした下落の直接引き金役のほか、記事では商品への投資を見直す動きがあると指摘している。
「石油や他の商品の値動きを追うファンドのパフォーマンスが悪くなっている。特にインデックス・ファンド(代表的な商品指数をベースに投資する)は商品自体の値上がりのほか、ロール・オーバー益を得てきた。だが期近高・期先安の逆ザヤから期近安・期先安の順ザヤへの転換でロール・オーバーで損、商品自体の値下がりで損失と二重損状態にある」
「資産の分散効果という商品投資への根拠も弱まっている。従来原油と金は株式と逆相関関係にあり、株下落へのヘッジの役割を果たしてきた。だが、キャピタル・エコノミックスのサイモン・ヘイレー氏によると、この数ヵ月、商品と株式は同調して動いている。投資家の商品への関心が薄れれば、需給はどうあれ、商品相場は下がる」
FT、エコノミストの記事に共通するのはファンド資金の流出が商品下落の一要因という指摘だ。
だが、「商品相場は需給関係が基本で、上限と下限にある程度のメドがつく」(商品情報会社、O社のKさん)。
で、金。公的金売却の減少、新産金では加工需要が賄えないというその需給図から、安全資産としての受け皿需要(投資)がいつ盛り返しても不思議ではない。
「3割高下は気の変化」という。
732ドル(5月12日)、546.4ドル(6月14日)、677.5ドル(7月17日)、ニューヨーク金期近の足取りだが、9〜10月に二番底を付けてダブルボトム形成。気も変化する。
暖房需要とOPEC減産で持ち直す原油とともに金は年末高を目ざす。GFMS予測を支持したい。