平成18年9月11日(月)(毎週月曜日発行)第857号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行人・米良 周 編集人・小島 栄一
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  主 な 紙 面 ―
◇商品先物業界に専門コンサル登場 日本版SOX法、内部統制の対応OK
◆エース交易 FXカバー先にバークレイズ銀を追加 預かり1000億円が目標
◆オーバルネクスト 次世代の商品業務サポート
◆2006年3月期 専業型取引員財務状況(3)
・自己売買高  ・委託売買高 ・合計売買高  ・自己売買比率
・手数料化率  ・手数料単価 ・委託未収金  ・有効証拠金率
・外務員割新規委託者
◇“めらの目”商品相場は自分研究
◆福岡・関西合併問題 臨時理事会で総意を確認
◆中部大阪商取 理事に重光氏ら選任
◆東京調査部会9月度例会 蔦峰氏が07年市場を予測 


商品先物業界に専門コンサル登場
日本版SOX法、内部統制の対応OK
  
 商品先物取引業界に各種業務のアウトソーシングサービスなどを提供するオーディーケィ情報システム(ODKIS)は、きょう(11日)から、金融商品取引法の中核である『内部統制』に関して、丸紅情報システムズ(MJS)と協力してコンサルティング業務を始める。MJSは、丸紅の米国SOX法対応のコンサルタントとして2年以上の実績がある。一方、ODKISは取引員のバックオフィス関連の業務知識に優れているため、それぞれの専門性を融合することで、取引員に対して、内部統制の円滑な導入を実現するとしている。
 いま企業間では内部統制が『2000年問題』以来の大きな話題になっている。それに端を発し「億単位の費用がかかる」「深刻なコンサルタント不足」とのうわさが飛び交っている。
 内部統制とは、企業内の違法行為や不正、ミスなどを防ぎ、組織が健全、有効、効率的に運営されるよう一定の手順や手続を定め、かつそれらを管理、監視する一連の仕組みを指す。従来は財務・会計の視点からとらえられていたが、近年になってコンプライアンス(法令遵守)やリスクマネジメントなどとともに、コーポーレート・ガバナンス(企業統治)のために不可欠な機能と考えられるようになった。
 きっかけは、エンロンやワールドコムの粉飾決算から破たんに至る過程で明るみに出た不祥事を受け、2002年に成立したサーベンス・オックスリー法(SOX法)が内部統制システムの構築と運用を経営者の義務としたことだ(監査等は外部監査法人の義務)。
 一方、日本でも昨年5月に施行された会社法で取締役/取締役会に内部統制システム構築の義務を課しているが、米SOX法にならった法律も制定されている。商品先物業界では不招請勧誘の禁止に絡んだ議論が関心の多くを占めたが、金融商品取引法がそれだ。
 同法は第24条で、上場企業に対し有価証券報告書とあわせて内部統制報告書の提出義務を課すと定めている。日本版SOX法と呼ばれるゆえんである。
 ただし金融商取法は緊急性の高い条項から順次、段階的に実施されることになっている。内部統制報告書の提出・監査は「平成20年4月1日以降に開始する事業年度から適用する」(附則第15条)との定めがある。このため上場企業とその連結子会社を対象に同法が適用されるのは平成21年3月期の本決算からとなっている。
 内部統制の現実化ではITを駆使して構築された情報システムが不可欠といわれている。
 従来はある担当者の作業を別の担当者がチェックする『相互けん制』が前提とされてきた。しかし、ある種のITツールの使用で、情報システムへの入力なしには業務ができないようにもできるし、またその入力自体を業務記録として残すこともできる。不正アクセスや情報漏えいの防止等セキュリティも同様だ。
 ただ内部統制は企業、またはその企業が属する業界によって特異性が異なる点に注意したい。逆にいえば商品先物取引という共通項のもとでは「共通部分が少なくない」(ODKIS)ということになる。このためODKISとMJSは「共通部分を平準化することでサービスの提供コストの低廉化を実現した」としている。
 2社が提供するコンサルティングサービスの流れは別表の通り。
 一連の作業で最も重要なのは『文書化』で、コストと時間の多くがここに費やされる。つまり商品先物業界に対する知識と経験が要求される部分でもあり、この文書化作業を含め一連の作業を「一から十まで引き受けられる」点が強みとなる。
 米国の上場企業の場合、内部統制の計画から導入まで、平均して1年以上の時間がかかったとの調査報告もある。日本の内部統制もカウントダウンに入った。

      (2006年9月11日―第857号)