平成18年8月14日(月)(毎週月曜日発行)第854号
2006年 夏季 特集号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行人・米良 周 編集人・小島 栄一
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  主 な 紙 面 ―
◇先物協会、市場仲介制度の多様化で米IB制度を検討の対象に
◆法定帳簿の偽造などで違反 岡地、クレボに行政処分
◆特集インタビュー@ 規制強化は商品先物取引産業を成長させる 
    農林水産省総合食料局商品取引監理官 井上 明 氏
◆特集インタビューA 商品先物ビジネスの未来が明るい理由
経済産業省商務情報政策局商務課長 近藤智洋 氏
先物協会、市場仲介制度の多様化で
米IB制度を検討の対象に
 
 日本商品先物振興協会は9日に多々良實夫委員長(豊商事社長)体制下では初めてとなる制度政策委員会を開き、取次制度のあり方などにを話し合った。
 商品先物市場を取り巻く経営環境が厳しさを増す中で、「限りある経営資源を有効活用するため」(先物協会資料より)財務規模に応じた営業体制の実現が急務の課題として浮上している。またより負担の少ない市場仲介業制度は新たな市場参加者を呼び込み、それによって新規顧客層の流入、市場規模の拡大が期待されている。
 ところが現在の市場仲介制度ではその実現が困難とする意見が多い。
 現行の商品取引所法で規定されている市場仲介者は受託商品取引員と取次商品取引員の2形態。受託取引員は取引所の会員資格を持ち、自らの名前で商品先物市場で売買を執行できる。一方取次取引員は取引所の会員資格を持たず、委託者の売買注文は、受託商品取引員に「取り次ぎ」、間接的に売買を執行することになる。
 業務範囲が限定的であるため、取次取引員の各種負担は受託取引員に比べ軽減されている。たとえば取引所会員に課される純資産額要件の不適用、取引所・清算機関に支払う会費や預託金などの軽減措置がメリットとしてあげられる。
 しかし取次取引員も法律上は「商品取引員」であることに変わりはない。このため取引員としての純資産額規制比率の適用や商品取引責任準備金の積み立てといった財務要件、法定帳簿の作成・保存等バックオフィス業務に関する事務コストなどは受託取引員と同等の用意が必要になる。つまりより少額の資本で市場仲介業務を営みたいとする要請には応え切れていないのが現行の市場仲介制度というわけだ。
 そうした中で浮上してきたのが米国のイントロデューシング・ブローカー(IB)制度を参考にしてはどうかとの提案だった。
 IBの特徴は@先物・先物オプション取引の売買注文を勧誘し当該注文を先物ブローカー(日本の受託取引員に相当)につなぐが顧客から取引の担保となる金銭等の預託は受け入れない=証拠金は直接先物ブローカーの口座に入金、A個人でも登録可能、B3万ドル(約340万円)以下の純資産の保有で充足可能な財務要件、C方法によってバックオフィス業務の大幅な減免──など。
 この日の制度政策委では取次取引員とIB、さらに証券仲介業者の比較を検討したが、具体的にどうするかは今後の委員会での検討事項とした。ただ参加委員からは、取次制度とIBを別々の観点からとらえて制度整備をすべき、それぞれの特色を残して選択肢を広げるべきとする意見も提起されている。
 制度政策委では今後「日本独特なクリアリング制度」などについても議論・検討し、海外の制度との対比で「改めるべきところは改める」ための提案をしていく方針。

      (2006年8月14日―第854号)