平成18年7月24日(月)(毎週月曜日発行)第851号
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  主 な 紙 面 ―
南學理事長が市場低迷で危機感表明 原因追及と対策が必要と指摘
◆TOCOM指数24日から公表
 「産業務インフラ機能の充実に寄与」と南學理事長
◆日本ユニコム 早く、便利に、確実に ネットモバイル環境を進化
◆エイチ・エス証券、10月にも商品先物業務
◇“めらの目”商品先物はハイリスク・ハイリターン?
◆小林洋行が組織変更 商品開発事業部を独立
◆岡藤BS上海事務所 オープン記念式典開催
◆関西商取、オプ委委員長に岡本氏
◆東穀取、総務井副委員長にに島津氏


南學理事長が市場低迷で危機感表明
原因追及と対策が必要と指摘
 
 東京工業品取引所の南學政明理事長は19日の理事会後に記者会見を開き、世界的には「商品の時代」が到来し、欧米の市場では過去最高の出来高を記録している一方で、日本の商品先物市場が依然として低迷状況を脱していないのは「はなはだ残念」との感想を述べた。また取組高の減少は「流動性確保の観点から危惧している問題」とした上で、原因を追及して対策を講じる必要があるとの考えを示した。
 東工取の今年上半期(1-6月)の出来高は3610万枚と昨年同期の2740万枚に比べ3割を上回る増加。1日平均出来高は昨年の22.7万枚から6.8万枚増えて、29.5万枚と1日の予算枚数23万枚を大きく上回る結果となっている。
 牽引役を務めたのは金(前年同期比85%増)、白金(同55%増)、ゴム(同124%増)の3商品。石油市場の15%減を補ってなお余りある数字をあげた。
 南學理事長は、出来高増の背景には@中東情勢の緊迫化等地政学リスクの高まり、A中国・インド等の高い経済成長に伴う需要の増大??があると指摘。このため価格変動リスクに対するヘッジニーズや商品での資金運用ニーズが高まったと説明した。
 結果、理事会に報告された東工取の平成18年度第1四半期(4-6月)の収支では、定率会費収入が14億3695万円と予算額を3億3500万円あまり上回る好況となっている。
 東工取の出来高増は世界的な潮流と一致している。この傾向はすでに年初から顕著で、FIA(全米先物業協会)がまとめた今年2月末段階の数字では、世界の先物市場(オプション取引含む)はすべてのセクターで対前年比プラスを記録。中でも商品先物の伸びは顕著で、全市場平均の34%増に対して貴金属47.7%増、農産物46.4%増、エネルギー3.9%増といずれも平均を上回る伸び率を示現。唯一、平均を下回ったのは非鉄金属だが、それでも前年を3割近く上回っている。「商品の時代の到来」を予感させるすべり出しだ。
 そしてこの商品先物の好況はその後も伸びを持続している。シカゴ・マーカンタイル取引所の6月の出来高は前年対比71.2%増となり過去最高の1億6000万枚(1日平均 640万枚)超えを達成。同取引所が「コモディティー等」に分類する商品群も67%増の勢いだ。
 エネルギー関連商品を取引するインターコンチネンタル取引所(ICE、旧IPE=国際石油取引所)の勢いはさらに目覚ましい。6月の出来高は前年同月比104.5%増の 776万枚。1日平均は35万枚だが、この数字は今年に入っての6カ月間、過去最高を更新し続けている。
 さらに驚かされるのが、1-6月の約定代金が前年比6割増の10兆元(1兆2500億ドル、中国先物協会調べ)に達した中国3取引所の動向だ。中でも銅、アルミ、ゴムなどを上場する上海期貨交易所は6月だけでも 597万枚を取引。今年1-6月通算は前年同期比のほぼ2倍の2754万枚の取引を達成した。
 世界的な「商品の時代」の流れの中で、日本の商品先物市場はひとり取り残された格好に映る。1-6月の通算出来高は5211万枚と前年同期に比べ1割のマイナス。出来高を伸ばしたのは東工取だけで、その他の取引所は減速を余儀なくされている。
 こうした事実を踏まえ南學理事長は「わが国の商品先物市場が(平成16年の)商取法改正により欧米と比較しても遜色のない制度が確立されたにもかかわらず」低迷状況を脱していないことへの懸念を表明。また建玉保有リスクの回避方法としての日計り商い増加と、高ボラテリティーで市場撤退を余儀なくされる投資家がおり、結果として取組高の減少や商品取引員の預かり高減少につながっていると指摘した。
 6月末の東工取の取組高は67.9万枚。前年同期比は微増だが、一昨年との比較では24%減少している。

      (2006年7月24日―第851号)