平成18年7月3日(月)(毎週月曜日発行)第848号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行人・米良 周 編集人・小島 栄一
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  主 な 紙 面 ―
不招請勧誘禁止検討問題 海先とのトラブル混同回避は商品取引員の自衛手段
◆“先物寸言”利に耐えられるか 鍋島 高明
◆東穀取、ヘッジ取引管理マニュアル作成 法人用営業ツールでも効果
◆フジF、20億円を増資 財務基盤強化など
◆JCCH、当期利益金額を決済不履行積立金に
 「いつまで」「どこまで」は公明正大に議論
◆団塊世代の関心上々 金融教育シンポ満員御礼
◆人事異動 ・第一商品
◆“先物オタクのススメパートW”トカゲの脳と意地悪な市場 (3)

不招請勧誘禁止検討問題
海先とのトラブル混同回避は商品取引員の自衛手段
 6月7日に参院本会議で可決成立した金融商品取引法で委託者トラブルが減少しなければ商品先物取引に不招請勧誘の禁止導入を検討することが付帯決議に盛り込まれた。これに関して、前提となるトラブルのカウント方法で精査を求める声が商品先物と、同じレバレッジ商品である株価指数先物等を扱う証券業界の一部で持ち上がっている。
 付帯決議では、平成15年の法改正を経て適合性原則や説明義務の法定化、再勧誘の禁止等詳細な規制措置が導入されている商品先物取引と、業者参入規制のない海外商品先物取引および海先法の適用すら受けない海外商品先物オプション取引を同列に記して「厳正な対応」を求めている。
 一連の議論の過程では、国民生活センターに寄せられた「商品先物の相談件数」が再三にわたり取り上げられている。平成16年の7000件が翌17年には4000件レベルに減少しているものの「被害を無視するに足るほど減ったことになるのか」(公明党・山口那津男議員)というのが典型的な引用のされ方だ。
 もちろん商品先物のトラブルが皆無と強弁するつもりは毛頭ない。ゆえにトラブル減少に向け一層の努力を重ねるというのは正論だ。しかしその根拠とされている数字のマジックがある。
 まずセンターに寄せられているのは相談」であり、必ずしも「苦情」や「トラブル」の件数とは一致しない。例えば勧誘を受けた会社の信用照会や取引ルールに関する質問なども「相談」にカウントされるケースがあること。加えて重要なのはこの「商品先物」の分類には、商品取引所法に基づく商品先物だけでなく、「海先」と「海先オプション」が一緒にカウントされている事実だ。
 別表は一昨年の4月に国民生活センターが公表した資料で、PIO-NET(消費者生活相談情報ネットワーク・システム)に登録されている「商品先物取引に関する相談」のうち、相談件数の多い商品ごとに件数をまとめたもの。国内商品先物市場にはない「ガスオイル相場」が含まれている点に注意したい。これがニューヨーク・マーカンタイル取引所の天然ガスなら、大豆や金などにも少なからず「海外の」市場が含まれているとの推測は成り立つ。
 商品取引員とは異なり、「始め」を宣言すれば容易に営業活動できる海先業者が増加している。一時隆盛を誇ったFX取引だが、規制強化で業者数は激減。一部は「未公開株」に流れたとされるが、それも取り締まりが強化されると今度は海先に流入している構図だ。悪いことに商品先物業界の経験者も流れ込んでいる。
 商品取引所の上場商品も海先も、世間一般では同じ「商品取引」だ。われわれは自主規制の一方で、自衛手段も必要になっている。         (小島栄一)
   
◆ PIO−NETに登録されている「商品相場」に関する相談

1999年度(3,798件)
2002年度(7,582件)
2003年度(4,141件)
商品相場※
787(20.7%)
石油相場
2,033(26.8%)
石油相場
1,206(29.1%)
コーン相場
711(18.7%)
商品相場※
1,943(25.6%)
商品相場※
1,031(24.9%)
金相場
656(17.3%)
金相場
1,271(16.8%)
金相場
699(16.9%)
石油相場
464(12.2%)
コーン相場
717( 9.5%)
大豆相場
291( 7.0%)
大豆相場
348( 9.2%)
大豆相場
470( 6.2%)
コーヒー相場
275( 6.6%)
他の商品相場
214( 5.6%)
コーヒー相場
375( 4.9%)
コーン相場
221( 5.3%)
ゴム相場
135( 3.6%)
ガスオイル相場
186( 2.5%)
他の商品相場
108( 2.6%)
プラチナ相場
108( 2.8%)
他の商品相場
184( 2.4%)
ガスオイル相場
100( 2.4%)
パラジウム相場
106( 2.8%)
ゴム相場
114( 1.5%)
ゴム相場
70( 1.7%)
10コーヒー相場
92( 2.4%)
プラチナ相場
113( 1.5%)
プラチナ相場
62( 1.5%)
 
※「商品相場」:取引している商品が不明な相談や複数の商品にまたがっている相談

      (2006年7月3日―第848号)