東京工業品取引所の南學政明理事長は21日、新年度入りした4月以降の出来高が前年対比で5割以上増加していることから、東工取としては「回復傾向が軌道に乗りつつある」との見解を示した。また南學理事長は国内の金融先物市場も拡大傾向にあると指摘。金融を含む先物取引の活発化は先物取引に対する社会一般の関心を高めるもので、同所にとっても望ましい状況だと述べた。
東工取の出来高は4月=596万枚(前年同月比55%増)、5月=625万枚
(同66%増)、6月=424万枚(1-20日、同39%増)。中でも金、白金、ゴムの出来高増は目覚ましく、昨年の2〜3倍程度の伸びを示している。
こうした出来高増の背景について商品固有のファンダメンタルズのほか、南學理事長は「異業種や海外を含めた新規(会員の)増加」と、世界的な商品価格の上昇による商品市場への関心の高まりを指摘。また制限値段に達したまま取引が終了して出来高が伸び悩む日もあるものの「昨年度を上回る水準を期待できる」との期待を語った。
金融先物の世界でも出来高が膨らんでいる。5月の出来高(先物のみ)は東京証券取引所が前年比86%増、大阪証券取引所 126%増、東京金融先物取引所は実に 7.9倍に達し今年3月の決算では8年ぶりの黒字に転換。南學理事長はこうした状況を分析し、「一部の商品取引員が収益構造の多様化を目指して金融先物取引の分野に進出していることも多少は影響がある」とした。
| ◆ 二極化進む商品先物市場 |
|
4月
|
5月
|
6月
(1-20日) |
東工取 |
5,963,272
(55%増) |
6,251,173
(66%増) |
4,241,839
(39%増) |
東穀取 |
1,741,902
(38%減) |
1,357,706
(38%減) |
1,125,037
(27%減) |
中部取 |
862,227
(58%減) |
731,447
(58%減) |
485,368
(62%減) |
※カッコ内は前年同月比 |
そうした一方で、東工取以外の商品取引所はいずれも苦戦を強いられている現状がある。5月には関西商品取引所と福岡商品取引所が前年度比8割を超えるマイナスとなり出来高は1万枚台に。”3強“の一角を占めている中部商品取引所も6割近いマイナスで出来高は 100万枚を切った。
東京穀物商品取引所も例年ならば天候相場への突入とともに出来高を伸ばしているこの時期に建玉が過去最低の水準を記録。13日には平成7年4月以来の50万枚割れ水準となったがそれでも止まらず、22日現在約46万枚という状況に見舞われている。