「ゴムは世界一、銅もロンドンに次ぐ。上海商品取引所をのぞいてきたが、214を数えるプローカーを通じ、投機がうなりを立てて回転している。いずれ、中国外の顧客勧誘の道も開けるという感触を得た」
「それにひきかえ、タイの商品先物はゴムが日本と上海の裁定取引でにぎわっているが、コメはさっぱり」タイのブローカー会社役員のSさんの話しである。
なぜ、タイの裔品先物は振るわないのか。
「バクチご法度の政府主導の市場。政府からライセンスを得ている立場からは言いにくいが、当業者だけの市場は発展しない。安全なバタチ場だとPRすれば商いはどっと膨らむ。タイにはヤミのカジノが200店、闘犬、コウロギからムエタイ…なんにでも賭ける。タイ人とバクチ切っでも切れない。投機が120%の中国市場に及びもつかないわけだ」
Sさんのバクチ論議だ。
バブルの時期だったろうか。ミルトン・フリートマン教授が日本での講演会で「投機といってもバクチといってもいい。考えてみれば保険に入るのだってバクチ」と述べ、投機に後ろめたさを感じていた聴衆の拍手を呼んだという事例を思い出した。
「日本の商品先物は主力の国際商品が相場の様相を呈しているのに梅雨空のようにさえない。客観的にどうみるか」
「過去の一部業者による不品行のつけが回っている面は否定できない。ただ、オプションの出来高不振は外からみると解せない。例えば金。目先調整局面にあるが、1トロイオンス1000ドルは通過地点という見方が多くなっている。コールオプションを100枚買う顧客はいくらでもいるはず。注文を受けたら先物市場につなぐ。先物市場自体も活性化する」
「コメだって、輸出入の95%を占めるインディカ米を指数の形で上場すれば、アジア発の国際商品が誕生する。日本のコメは主食というより、し好品。主食を投機の場にさらすな、という農業団体のコメ上場反対には消費者の立場を全く考えていない。日本のコメは生産者価格でパーツに換算すれば1キロ80パーツ。タイでタイ米は卸でキロ7〜8パーツ、小売で10〜20バーツ、日本米は小売でキロ50パーツ見当」

「インフレ懸念が再浮上、1970年代に戻るのか」英紙ファイナンシャル・タイムス(FT、6月8日付)は解鋭・分析面で各国中央銀行と金融市場で高まるインフレ懸念について解説している。
記事によると5つの新たな懸念が浮上している。
@過去4年にわたる経済成長は米国と日本の供給余力低下を呼び、増産余地が鮨小、インフレ圧力を招く。
A需要増と硬直的な供給体制が高油価構造を定着させる。
B安い中国製品の輸出による緩やかなデフレ圧力が、あくなき石油の購入を通じて消えていく。
C個人の借り入れを含む金融指標が、過熱領域に踏み込んでいる。
Dインフレ期待感が高まり、今日のインフレは明日の賃上げ要求につながる。
「FEDのバーンナンキ議長は5日『最近消費者物価上昇は歓迎できない』と述べ、欧州中央銀行はインフレが目標の2%を越え続けているのは耐えられない」として多分8日に0.5%の利上げに断み切る。日本銀行できえ、デフレスパイラルよりも、インフレの危険性を懸念している。(欧州中央銀行は8日、0.25%利上げ)
インフレの先行指標役の国際商品はどうか。
5月半ばの調整安の地合いを踏襲したままだ。
インフレ懸念なら金、銀が買われてもいい。が、いつかな上向きの相場付きに転じない。原油ももみ合い。7日には米国の在庫増を映して下落した。
国際商品はインフレ懸念より、利上げが招く世界経済の失達磨念に目を向けているようにみえる。