非鉄金属、貴金属高騰の背景に供給制約要因ありと2回にわたって書いてみた。
銅、亜鉛、プラチナが市場最高値。金25年3カ月振り、銀22年8カ月振りの高値。原油も1バレル70ドルにせまるという11日の相場付きはいささか走り過ぎではなかろうか。
英紙ファイナンシャル・タイムス(FT、3月12日付)商品欄の見出しは「非鉄・貴金属相場、"フェア・バリュー"超える」
フェア・バリュー(公正な価値)とはなんだろう。
記事にはUBSのジョンリード氏のコメントが出ている。
「非鉄・貴金属相場は需要と供給の関係に基づいたフェア・バリューをかなり上回っている。だが、過去2年の経緯は投資と投機資金の流入は相場を需給原則に立つフェア・バリューをかなり上回る線に押し上げることを教えている」
12日付FTではマーケット・インサイト欄でも国際商品の急騰振りを取り上げている。
「商品市場の反動安のきっかけに警戒せよ」というのが見出し。
記事にある調整安のきっかけ要因を列記してみる。
○予想されたより高い米国と欧州の利上げ、それに日本の金融緩和の停止は金融市場の流動性を低め、商品、株式市場に影響を与える。
○米国の住宅部門の鈍化の兆し。
○中国の成長鈍化。投資主から消費主導への政策変更で国際商品多消費パターンが弱まる。
ここまではいわばマクロ要因。
次は市場要因ともいえよう。
○調整安の引き金は弱気のお手上げが引く。みんなが弱気なら強い相場に転じ、みながみな強気なら弱い相場に転じるというのが市場の持つ長い歴史が語るところだ。いまもっともっと上がるという合唱の前に弱気のかげは薄い。

○投資家の商品への資金流入の先細り。ゴールドマン・サックス指数など商品指数の構成品目によって買い建てていくインデックス投資は 800億ドルに達したとみられるが、4年に及ぶ高いパフォーマンスの末、今日に至る今年のパフォーマンスはマイナス 2.5%となった。
これは「ネガティブ・イールド・ロール」といわれる現象のためだ。期先限月が期近限月より高い結果生じる。期近限月が落ちたら次の限月に乗り換えていく手だてが効を奏しなくなった。
前者は「万人が万人ながら強気なら、たわけになりて米を売るべし」(三猿金泉秘録)に通じる。