平成18年2月27日(月)(毎週月曜日発行)第831号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
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― 主な紙面 ―
◇日本商品清算機構、市場リスク対応で取引所の片建玉対策に呼応
 取引所は水準定め追加建玉停止措置発動も (下段掲載)
◆コメ先物、生産者アンケートへの違和感 懸念される農協「事務連絡」
◆合併は「空想の話」木村理事長が真っ向否定
◆エース交易配当予想修正 記念配当加え計30円に
◆人事異動 大阪商品取引所(20日付)
◆東穀取、エタノールで講演会
◇“めらの目”プラチナ強さの象徴 鉱山会社(ロンミン)に求婚合戦
◆先物協会、18年度定率会費は2.5円 役員大幅削減など理事会に提案
◆日商協、会費収入減少 18年度定率会費は4円に据え置き


日本商品清算機構
市場リスク対応で取引所の片建玉対策に呼応
取引所は水準定め追加建玉停止措置発動も
 
 日本商品清算機構(JCCH)は23日に「債務不履行リスク検討委員会(委員長=窪田武東京穀物商品取引所専務理事)を開き、清算会員の片建玉増大に伴う市場リスクを抑制するための対応措置を話し合った。清算会員の「身の丈に合わない取引による混乱を防ぐ」(事務局)ための制度で、片建玉のリスク量と場勘定に充当できる流動性資金の量の割合を勘案して、一定水準に達した場合には、取引所は当該会員にそれ以上の建玉を認めない措置などを発動する。JCCH側も新制度をできる限り早期に導入したいとの意見で一致しており、27日の取締役会では新制度に呼応したルールの改正を提案する構えだ。
 最近の取引では、清算会員の片建玉が増大した結果、取引リスクを清算預託金と取引証拠金でカバーしきれないと懸念されるケースが発生している。委託取引で個々の取引に問題はなくても、総体としての委託取引が立て替えリスクを高めて清算会員の破たんを惹起し、結果、市場全体に悪影響を及ぼしかねない懸念がある。自己取引なら従来の規制で対応は可能だ。しかし委託取引では既存の制度の枠組みでは対応しきれないことが背景にある。
■ デフォルトリスク判定式(案)
 
  リスク量
  ─────=×(%)
  流動性資金

@リスク量:(片建玉枚数×倍率×値幅
 制限2日分)を片建玉のある全市場に
 ついて算出して合計ののち、自己取引
 の取引証拠金および清算預託金を控除
 して求める。
 
A流動性資金:場勘定に充当できる“純
 粋な”流動性資金。担保資産、FX取引
 でカウントされる資金は重複して用い
 ることはできない。
 
 ただ片建玉の量と市場リスクの関係は清算会員によって異なる。資金量が豊富な会員はリスクが低く、逆に資金に余裕がなければリスクは高まる。そこで全市場にまたがる片建玉のリスクを計量化し、それを流動性資金量で割って求めた数値(『デフォルトリスク判定式』参照)を判定の基準とする考えだ。
 基準値はパーセンテージで表示し、ある水準に達したら「警告」を伝え、それを超えてまた別の水準に達したら「追加建玉の停止」とする案が有力。停止措置に達した段階では、従来の清算預託金とは異なる『特別清算預託金』を求める案も持ち上がっている。JCCHは取引所の特別清算預託金徴収の通知を受け、同預託金を受け取る格好になる。
 ただし現時点では何%を警告または停止とするかの具体的な基準値は定まっておらず、今後、各取引所が決定することになる。
 またこれとは別に、ある清算会員がデフォルトを起こした場合に、別の清算会員が金銭的負担を求められる「カウンターパーティー・リスク」の遮断も検討した。
 JCCHのルールでは、会員がデフォルトを起こした場合の場勘定処理の財源には、当該会員の自己取引分の取引証拠金、清算預託金、差し換え預託の超過預託分、信任金が優先して充てられることになっている。それでも補填できない損失にはJCCHの積立金が充てられ、最悪のケースでは他の清算参加者が負担を求められることも想定される。
 清算会員にとって望ましいのは、積立金レベルで場勘定処理が完了すること。しかし発足間もないJCCHに十分な積立金はもちろん、東京工業品取引所がインハウス型クリアリングハウスに掛けたような保険も用意されていない。そこで同日の検討委では「積立金段階で解決できるよう努力すること」を確認し合ったが、具体的な方策の言及には至らなかった。
 JCCHの設立は商品先物業界全体の信用力向上で内外から高い評価を受けており、カウンターパーティー・リスクなどの回避策の拡充は重要な課題ととらえられている。

      (2006年2月27―第831号)