米国とマレーシアで商品取引員の業務の幅が広がる。米国商品先物取引委員会(CFTC)は9日、東京工業品取引所会員が米国内で営業行為をする際に必要な「CFTC規則パート30」の免除を承認。また翌10日にはマレーシア政府が同国国民に先物取引を認める「指定市場」として、東工取の貴金属・石油・アルミニウムの各市場を認定した。東工取はすでにゴム市場の指定を受けていたため、これでマレーシアから全市場へのアクセスが可能になった。さらに同国政府は東京穀物商品取引所に対しても同日付で農産物と砂糖市場を指定。東穀取は平成5年にパート30の除外を受けていることと合わせ、日本商品先物市場の国際化にはずみがつきそうだ。
| ■東穀取パート30免除取引員 |
▽三井物産フューチャーズ
▽エース交易
▽日本ユニコム
▽カネツ商事
▽岡 地
▽豊商事
▽コムテックス
▽ひまわりCX
▽北辰物産
▽オリエント貿易
▽岡藤商事
▽ハーベストフューチャーズ
(承認比順) |
一般的に多くの国は、自国民の外国金融市場へのアクセスについて法律でなんらかの規制を設けている。米国の場合はCFTC規則の「パート30」がそれにあたる。このため東工取はCFTCに同取引所がパート30の適用を免除されるよう申請していた。
今回の除外認定で、東工取会員である取引員は、東工取の上場商品を米国内で営業できるようになる。ただその際には、東工取経由で全米先物協会(NFA)への登録が必要。NFAは日本商品先物取引協会に近い性格を有する団体で、先物ブローカー企業やトレーダー、商品投資顧問などの登録実務を担っている。
先行して除外認定を受けた東穀取では現在12社の会員がNFA登録を完了し、東穀取商品を米国内で販売できる立場にある。この12社は重複登録を免れるが、新たに東工取商品を扱う旨を、東工取を通じてNFAに届け出なくてはならない。
一方、マレーシアは「1993年先物業界規則」で担当大臣が指定する商品市場を除き、同国民に外国の先物取引を禁止している。CFTC規則と異なるのは「除外承認」ではなく「市場指定」の取りつける点だが、同国民が東工取と東穀取市場へ注文を出す際には日本の取引員を経由しなくてはならないことから、取引員の本来業務の観点からは「実質的な差異はない」(東工取)とみられる。
昨年1年間に米国とマレーシアから東工取市場に発注された取引は122万枚と13万枚。これまでの米国からの注文は、日系を含む米国先物ブローカーライセンスをもついわゆるFCM経由でつながれていた。またマレーシアからはゴム限定の注文が入っていたわけだが、いずれの場合も仲介役を務めた取引員数は限定的。東工取の一連の国際化策と合わせ、海外受注の「伸びしろ」はまだまだ残されている。
【南學政明理事長のコメント】
「かねてCFTC規則パート30の免除申請をしていたが今般承認の運びとなって大変うれしく思っている。本承認の意義は弊所会員の活動の場が広がることだが、加えて弊所の諸規制とりわけ委託者保護の面で米国市場と同等の制度を有するとCFTCから公式に認められたことになり、弊所の国際的地位の向上にもつながると考える。
マレーシアの市場追加指定では同国の先物ブローカー、ファンド・マネージャーによる本所市場利用が増え、市場参加者の多様化が促進されるとみている」