平成18年2月6日(月)(毎週月曜日発行)第828号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行人・米良 周 編集人・小島 栄一
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― 主な紙面 ―
◇取引員自己玉の取組高が増加 純資産リスク値緩和の影響か(下段掲載)
◆“先物オタクのススメ パートV”猿蟹合戦と市場
◆金融サービス利用者相談 未公開株の相談が増加
◆金融庁、金先業者にトレックスら新たに登録
◇“めらの目”メタル、開発・操業コスト上昇に基因
◆国内CTA運用資産前年比93億円増え378億円と過去最高
◆関東人事部会役員改選 長谷川会長は留任
◆人事異動、大阪商品取引所
◆自己株買付、エース交易


取引員自己玉の取組高が増加
純資産リスク値緩和の影響か
 東京工業品取引所で取引員自己玉の建玉枚数が増加している。昨年12月末時点で6万0366枚だった建玉枚数は、今年1月末には7万8406枚と13%増えた。昨年暮れに主務省が商品取引所法施行規則(省令)を改正して実施した、純資産額規制比率の実質的な規制緩和との関連がありそうだ。
 東京穀物商品取引所と中部商品取引所を含む3取引所の取引で、売買高と取組高について、昨年12月と今年の1月の数値を比較した(表1参照)。それによると3取引所とも自己と委託取引を合計した売買高の絶対数は減らしている(約14%減)が、取組高は9%増加した。とりわけ自己取引の取組高は18%増加していることがわかる。
 省令で改正されたのは、取引員自己取引のネット部分にかかるリスク値の算出方法。従来建玉リスク「ゼロ(相殺)」判定は「同一取引所・同一商品・異限月」のいわゆるカレンダースプレッドだけに認められていたが、例えば「東京ガソリンと同灯油」「東京原油と中部ガソリン」といった組合せにまで拡大された。
 これによりリスク値は改正前と後で45%軽減し、取引員全体では208億円の自己資本の余裕額が生じたと日本商品先物振興協会は算出。このため3取引所を総体的にとらえた場合、売買高の減少と取組高の増加というアンバランスが発生したと考えることができそうだ。
 ただし自己取引の増減は取引所および商品間で大きなばらつきがある。東工取の大幅増の一方で、逆に東穀取が小幅ながら減少しているのは「石油グループでリスク相殺を認められた商品群が多いのに対して、農産物グループでは限定的だったことが原因」との分析は理解できる。
 また突出している東工取についてより詳細に分析するため、取引所発表の自己取引数値から商社等を除外して取引員の自己取引を切り出したのが表2だ。東工取全体の出来高減少率19%に比べ、自己取組の増加率は13%となる。
 ただ東工取としては「かつてにくらべ自己取引の割合が徐々に減少する中で商品、会員によって偏りが大きい。リスク値算出方法の変更との関連では、取引員はまだ模索中ではないか」(早川一成常務理事)と慎重に分析する。
■ 売買高の減少V.S.取組高の増加(表1)


売買高
取組高


05年12月
06年1月
05年12月
06年1月
増減率12月
東工取自己+委託
14,485452
11,751,168
1,369,938
1,591,436
116.2%
自己取引計
7,404,718
6,294,518
356,100
451,426
126.8%
東穀取自己+委託
3,621,552
3,606,140
1,127,906
1,147,914
101.8%
自己取引計
726,616
651,744
113,689
108,886
95.8%
中部取自己+委託
2,222,806
2,019,050
182,304
178,882
98.1%
自己取引計
475,395
410,192
52,422
53,397
101.8%

■ 東工取・取引員自己玉の増加(表2)
05年12月
06年1月
増減率
69,366
78,406
113.0%
 さらに東工取で活発な自己取引を展開する大手取引員は「石油、貴金属はボラティリティー(価格変動率)が高まっており、オーバーナイト(建玉の翌営業日への持ち越し)は恐い。(自己資本に余裕のある)弊社では建玉に伴う取引リスクの対応を重視している」と説明。ただし「規制緩和の結果、取引員が自己取引をしやすくなったことは事実。今後は取組高だけでなく出来高に反映されるだろう」と予想している。

      (2006年2月6日―第828号)